13project story
滋賀から世界へ。グローバルに展開する古河AS
古河ASは1996年に海外進出を果たし、以降、様々な国と地域に生産拠点を設け、ワイヤハーネスをはじめとする自動車部品を製造。多くの自動車メーカー様に製品を提供しています。 海外拠点との交流も盛んで、特に年に一度開催される「グローバルウィーク」は、グループ全体のレベルアップを図るために欠かすことのできない一大イベントです。 今回は、古河ASのグローバルな事業活動を紹介。さらに2023年のグローバルウィークで開催された4つのイベントの中から、「グローバル技能競技会」の様子をレポートします。
グローバルに生産拠点を展開
古河ASが多くの自動車メーカー様に提供しているワイヤハーネスは、電力供給はもとより情報信号を車体の隅々にまで伝達する重要な部品です。機械やロボットでは組み立てられないほど複雑な構造で、新車が開発される度に仕様も変更されるため、1つ1つを従業員の手作業によって製造しています。
2023年4月現在、古河ASは国内27拠点、海外12か国24拠点とグローバルに事業を展開。従業員は日本を含めグループ全体で50,000人以上に及びます。
自動車メーカー様が新車開発および量産のために必要とされるハーネスや各種電装部品を、世界各地の生産拠点で製造することで、タイムリーに供給しています。
年に一度の大イベント「グローバルウィーク」
古河ASでは毎年、「グローバルウィーク」と称する一大イベントを開催。国内外の拠点の代表者が集い、各地で日頃行っている安全、品質および生産性向上の改善活動や技術の成果を披露する場となっています。
グループ全体で製品品質の向上や従業員の安全・安心な働き方につなげる行事として長年継続してきましたが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響により、3度続けてリモートでの開催を余儀なくされました。2023年は実に4年ぶりに古河AS本社での開催が叶い、世界各地の仲間が集結しました。
グローバルウィークは数日にわたって行われ、「安全」「品質」「技能」「改善」の4つのイベントが開催されます。その中から、「第18回 グローバル技能競技会」の当日の様子をお届けします。
「第18回グローバル技能競技会」の様子をレポート
2023年6月29日、古河AS本社で第18回グローバル技能競技会が開催されました。
技能競技会は、(1)切磋琢磨した技能を披露する場 (2)技能を共有する場 (3)品質向上を検証する場として自社レベルのベンチマークを行い、より高みを目指し、技術の向上と製造現場のモチベーションアップつなげることを目的としています。
今回参加したのは、中国、ベトナム、日本、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、インド、メキシコと、全部で9ケ国16チーム。
競技はワイヤハーネス製造における前工程の「手圧着」と後工程の「組立」の2種で、それぞれ作業スピードと品質で競い、上位3チームが表彰されます。毎回、表彰された拠点は作業に対するモチベーションが大きく向上。表彰されなかった拠点も、次回大会に向けて新たに取り組む意欲が見られます。他拠点の活動事例を自国に持ち帰り、各拠点でレベルアップに活かされています。
選手はいずれも各拠点の現場で働く作業員で、ほとんどが海外渡航初経験ということもあり皆さん緊張の面持ちでしたが、チームの紹介の締めくくりに「你好!」「Xin chào!」「Hola!」と、各地域の挨拶をするときには、自然と笑顔がこぼれていました。
午前中は前工程競技として、電線の先端に端子をつける「手圧着」が行われ、午後からは後工程の「組立」が行われました。「組立」は2人1組で取り組む競技で、1人目の選手が電線とコネクタをつないで「SUB」という部品を作成し、できあがったSUBを2人目の選手が設計図通りに配線していきます。
選手それぞれが拠点を代表して参加しているため、競技中は真剣そのもの。張り詰めた空気の中、古河ASの阿部社長をはじめとする幹部陣がその様子を見守ります。作業スピードの速さには驚きの声が上がっていました。
タイムが計測されるとともに、一次審査として手順が守られているかを製造技術部のスタッフがその場で厳しくチェック。作業不履行があれば減点されてしまいます。製作した製品は、別室で品質保証部による二次審査にかけられ、仕上がりの品質を確認します。
作業タイムとこれらの審査項目から最終的な順位が決定するのですが、上位争いは毎回ハイレベルで僅差。少しでも審査に不備があれば順位が変わってしまうため、審査する側の責任は重大です。2名以上の体制で慎重にチェックしていきます。
競技後にはインタビュータイムが設けられました。プレッシャーから解放された選手たちは晴々とした表情に。「今の気分は?」「普段の仕事で意識していることは?」「日本で何がしたい?」などの質問に、皆さん笑顔で答えていました。
表彰式では歓喜の涙も
すべての競技と審査を終え、いよいよ結果発表です。
前工程、後工程と、それぞれ3位から順にチーム名が読み上げられ、その度に歓声があがります。阿部社長より賞状を授与され、中には喜びで涙を流す人も。日頃から高い安全・改善意識で作業に取り組んでいることが伝わり、感動的な一幕でイベントは締めくくられました。今回のイベントでの交流を機に、各拠点でさらに改善活動が活発化することが期待されます。
古河ASで築くグローバルなキャリア
古河ASではこのようなグローバルイベントだけでなく、通常の業務でも常に世界を身近に感じられる環境です。
日々の連携はもちろん、若手のうちから海外出張の機会も多く、1年の半分以上を海外で過ごすという人も。駐在員として活躍できるチャンスも広がっています。
現地スタッフや作業員とのやりとりは、時に意図が伝わらずもどかしい場面もありますが、日々の経験を通じて国民性や文化の違いを学ぶことができるのは現場ならでは。コミュニケーションを重ねて、信頼関係を築くことで成長を実感することができ、世界を股にかけて自動車産業の未来を支えているという充実感を得られる仕事です。
おわりに
今回はグローバルウィークについてご紹介しました。古河ASは今後も海外拠点と連携し、グローバルな事業展開を続けてまいります。